妊娠中でも内服可能と言われてもらった薬の添付文書に『(妊婦・授乳婦には)投与を避けることが望ましい』と記載されているのを見て、問い合わせをいただくことがあります。例えば抗アレルギー薬のクラリチンの添付文書にも同様に記載されているのですが、臨床では安全という評価でよく処方されています。
薬の治験では、妊婦を対象とすることはありませんので、理論的には安全だと推定されても添付文書上は安全とは記載できないので、先程のような記述になってしまいます。しかし、これまでの研究を基にしたFDA分類やオーストラリア分類といったリスク評価の指標があり、その中で安全性が高いと評価されている薬は臨床で広く使用されています。妊娠中・授乳中の内服はどうしても慎重になりやすいですが、実際に使用できる薬は多くありますので、心配なことがあればご相談ください。
国立成育医療研究センターのホームページでは具体的に安全な薬剤、内服に適さない薬剤のリストを見ることができます。
妊娠と薬情報センター